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腰・下肢の神経(神経障害)
下肢前面の感覚障害
下肢後面の感覚障害
下肢の運動障害











 
下肢前面の感覚障害

(A) 下肢前面の感覚神経
(B) (A)の末梢神経の障害によって起こる感覚消失の場所
(C) (A)の神経が、障害されやすい場所
(D) (A)の神経が、どのような形で障害をうけるのか

(A)

神経

(B)

(C)

障害好発部位

(D)

障害の機序

 
① 腸骨下腹神経

  (外側枝)

 


Th12-L1

大腰筋内

腸骨稜後方

上前腸骨棘


腸骨下腹神経は大腰筋を貫いた後、上前腸骨棘の内側で腹横筋内腹斜筋を貫いて下降する。同部位の絞扼で障害されるほか、腸骨稜後方からの骨採取後の瘢痕で絞扼されることがある

 
② 腸骨下腹神経

  (前皮枝)


Th12-L1

大腰筋内

腸骨稜後方

上前腸骨棘


腸骨下腹神経は大腰筋を貫いた後、上前腸骨棘の内側で腹横筋内腹斜筋を貫いて下降する。同部位の絞扼で障害されるほか、腸骨稜後方からの骨採取後の瘢痕で絞扼されることがある

また、外鼡径輪直上で外復腱膜を貫く際に障害を受けやすい

 

 
③ 陰部大腿神経


L1-L2

大腰筋内

鼠径部


陰部大腿神経は大腰筋を貫く際に絞扼を受ける。臥位から上体を起こす際に鼠径部の痛みが増悪するのは、腸腰筋の収縮で神経が刺激されることによる

また股関節の炎症性疾患が、陰部大腿神経が走行する鼠径部の血管裂孔まで波及すると痛みを起こす

 
④ 腸骨鼠径神経


L1

腸骨稜後方


腸骨鼠径神経は大腰筋を貫き、腎臓と腰方形筋の間を通り、陰部へ達する

大腰筋での絞扼で障害を受ける


 
⑤ 大腿神経

  (前皮枝)


L2-L4

腸腰筋

股関節前面


大腿神経は鼠径部の下で⑤前皮枝と⑨伏在神経と分岐するが、この領域は大腿神経の前皮枝に支配される。

大腿神経腸腰筋内の血腫による圧迫や、股関節の過伸展などで損傷される


 
⑥ 外側大腿皮神経


L2-L3

鼠径部

縫工筋筋膜内


外側大腿皮神経は上前腸骨棘の真下を走行して、大腿の外側部に達する。鼠径部で圧迫、縫工筋の筋膜、神経の異常走行などで障害される


 
⑦ 閉鎖神経


L2-L4

骨盤内


閉鎖神経は骨盤内を走行して閉鎖孔へ向かう途中、骨盤骨折や出産などで障害を受ける


 
⑧ 外側腓腹皮神経


L4-S2

梨状筋下孔

膝窩外側

ヒラメ筋筋膜


坐骨神経から分岐した総腓骨神経が膝関節の下で3つの枝に分岐(⑧外側腓腹皮神経・⑩浅腓骨神経・⑫深腓骨神経)するが、その中の一つ。

膝窩外側部では神経を保護する筋肉が薄く、障害を受けやすい。外傷やギプスによる圧迫、ガングリオン、駆血帯で圧迫などの障害が多い。

更に外側腓腹皮神経はヒラメ筋の筋膜で絞扼される

 
⑨ 伏在神経


L2-L4

腸腰筋

股関節前面


伏在神経は大腿神経の枝である

大腿神経腸腰筋内の血腫による圧迫や、股関節の過伸展などで損傷される

伏在神経は大腿遠位1/3で広筋内転筋膜を走行し、貫通する。この部での絞扼や炎症で障害を受ける

 
⑩ 浅腓骨神経


L4-S2

梨状筋下孔

膝窩外側

脛骨中央前面

足関節前面


坐骨神経から分岐した総腓骨神経が膝関節の下で3つの枝に分岐(⑧外側腓腹皮神経・⑩浅腓骨神経・⑫深腓骨神経)するが、その中の一つ。

膝窩外側部では神経を保護する筋肉が薄く、障害を受けやすい。外傷やギプスによる圧迫、ガングリオン、駆血帯で圧迫などの障害が多い。

また、浅腓骨神経は前脛骨筋、長指伸筋、長母指伸筋などの筋によって絞扼を受ける(前脛骨区画症候群)ほか、足関節屈筋支帯で絞扼される(前足根管症候群)

 
⑪ 腓腹神経


L4-S3

梨状筋下孔

下腿近位後面


大腿中央部で坐骨神経総腓骨神経脛骨神経に分岐するが、脛骨神経はその直後に⑪腓腹神経と足底神経(足底部で外側足底神経・内側足底神経になる)に分かれる

腓腹神経は、下腿近位部で脛骨骨折、虚血性病変、ギプス、駆血帯などで障害される

 
⑫ 深腓骨神経


L4-S2

梨状筋下孔

膝窩外側

足関節前面


坐骨神経から分岐した総腓骨神経が膝関節の下で3つの枝に分岐(⑧外側腓腹皮神経・⑩浅腓骨神経・⑫深腓骨神経)するが、その中の一つ。

膝窩外側部では神経を保護する筋肉が薄く、障害を受けやすい。外傷やギプスによる圧迫、ガングリオン、駆血帯で圧迫などの障害が多い。

また、深腓骨神経は足関節屈筋支帯で絞扼される(前足根管症候群)


















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下肢後面の感覚障害

(A) 下肢後面の感覚神経
(B) (A)の末梢神経の障害によって起こる感覚消失の場所
(C) (A)の神経が、障害されやすい場所
(D) (A)の神経が、どのような形で障害をうけるのか

(A)

神経

(B)

(C)

障害好発部位

(D)

障害の機序

 
① 腸骨下腹神経

  (外側枝)

 


Th12-L1

大腰筋内

腸骨稜後方

上前腸骨棘


腸骨下腹神経は大腰筋を貫いた後、上前腸骨棘の内側で腹横筋内腹斜筋を貫いて下降する。同部位の絞扼で障害されるほか、腸骨稜後方からの骨採取後の瘢痕で絞扼されることがある

 
② 上殿皮神経


L1-L3

腸肋筋内

腸骨


上殿神経は第1-3腰椎から下降する際に腸肋筋を貫くため、この部で絞扼を受けることがある

また、筋肉の薄い腸骨翼の外傷、皮下血腫、慢性的な圧迫で障害される

 
③ 中殿皮神経


S1-S3

大殿筋


中殿皮神経は仙骨孔を出た後、大殿筋を貫いて、上内側殿部へ分布する。

大殿筋部での絞扼で障害されることがある

 
④ 下殿皮神経


S1-S3

梨状筋下孔


下殿皮神経は⑥後大腿皮神経の枝である。梨状筋下孔を抜けた所で分岐される。
梨状筋下孔では神経が絞扼されやすい。

 
⑤ 外側大腿皮神経


L2-L3

鼠径部

縫工筋筋膜内


外側大腿皮神経は上前腸骨棘の真下を走行して、大腿の外側部に達する。鼠径部で圧迫を受けると障害される


 
⑥ 後大腿皮神経


S1-S3

梨状筋下孔


後大腿皮神経坐骨神経と共に、梨状筋下孔を通り膝窩へ向かう。梨状筋下孔では神経が絞扼されやすい。

後大腿皮神経は梨状筋下孔を抜けた辺りで④下殿皮神経を分岐する。

 
⑦ 閉鎖神経


L2-L4

骨盤内


閉鎖神経は骨盤内を走行して閉鎖孔へ向かう途中で障害を受けやすい。骨盤骨折や出産などで障害を受けることがある。

 
⑧ 外側腓腹皮神経


L4-S2

梨状筋下孔

膝窩外側

ヒラメ筋筋膜


坐骨神経から分岐した総腓骨神経が膝関節の下で3つの枝に分岐(外側腓腹皮神経・浅腓骨神経・深腓骨神経)するが、その中の一つ。

膝窩外側部では神経を保護する筋肉が薄く、障害を受けやすい。腓骨頭での圧迫、外傷やギプスによる圧迫、ガングリオン、駆血帯での圧迫などがある。

膝窩の下ではヒラメ筋の筋膜で絞扼を受けやすい。

 
⑨ 伏在神経


L2-L4

腸腰筋

股関節前面


伏在神経は大腿神経の枝である。

大腿神経腸腰筋内の血腫による圧迫や、股関節の過伸展などで損傷される。

伏在神経は大腿遠位1/3で広筋内転筋膜を走行し、貫通する。この部での絞扼や炎症で障害を受ける。

 
⑩ 腓腹神経


L4-S3

梨状筋下孔

下腿近位後面


大腿中央部で坐骨神経総腓骨神経脛骨神経に分岐するが、脛骨神経はその直後に⑩腓腹神経と足底神経(足底部で⑪外側足底神経・⑫内側足底神経になる)に分かれる。

⑩腓腹神経は、下腿近位部で脛骨骨折、虚血性病変、ギプス、駆血帯などで障害される。

 
⑪ 外側足底神経


L4-S3

梨状筋下孔

下腿近位後面

内果後方

足根管

踵骨内側足底


⑩の説明と同じ

外側足底神経は更に、下腿遠位部でも障害を受ける。

下腿遠位部の内果後方で、内果の骨隆起による圧迫、摩擦、張力などで神経が障害される。

内果の直下の足根管部でも障害を受ける(足根管症候群)。

または足底に現れる踵骨内側部では、母趾外転筋の圧迫や体重による過負荷が生じやすい。

 
⑫ 内側足底神経


L4-S3

梨状筋下孔

下腿近位後面

内果後方

足根管


⑩の説明と同じ

内側足底神経は更に、下腿遠位部でも障害を受ける。

下腿遠位部の内果後方で、内果の骨隆起による圧迫、摩擦、張力などで神経が障害される。

内果の直下の足根管部でも障害を受ける(足根管症候群)。


















                                                                   UP


 
下肢の運動障害

(A) 下肢の運動神経
(B) (A)の神経が、障害されやすい場所
(C) (A)の神経の支配筋
(D) (A)の神経が、どのような形で障害をうけるのか

(A)

神経

(B)

障害好発部位

(C)

支配筋

(D)

障害の機序

 
大腿神経


L1-L4

腸腰筋

股関節前面


腸腰筋

恥骨筋(閉鎖神経と二重支配)

縫工筋

大腿四頭筋


大腿神経腸腰筋内の血腫による圧迫や、股関節の過伸展などで損傷される。

 
閉鎖神経


L2-L4

骨盤内


外閉鎖筋


閉鎖神経は骨盤内を走行して閉鎖孔へ向かう途中で障害を受けやすい。骨盤骨折や出産などで障害を受ける。

 
閉鎖神経

(前枝)


L2-L4

骨盤内


恥骨筋(大腿神経と二重支配)

薄筋

短内転筋

長内転筋

小内転筋

 


閉鎖神経は骨盤内を走行して閉鎖孔へ向かう途中で障害を受けやすい。骨盤骨折や出産などで障害を受ける。

 

 
閉鎖神経

(後枝)


L2-L4

骨盤内


大内転筋(深部)


閉鎖神経は骨盤内を走行して閉鎖孔へ向かう途中で障害を受けやすい。骨盤骨折や出産などで障害を受ける。

閉鎖孔を通過した後、閉鎖神経は前枝と後枝に分岐する。分岐後に後枝は外閉鎖筋内を貫通するため、ここで絞扼されることがある。

 
上殿神経


L4-S1

梨状筋上孔


中殿筋

小殿筋

大腿筋膜張筋


上殿神経は梨状筋上孔を通過する際に絞扼されることがある。

 
下殿神経


L5-S2

梨状筋下孔


大殿筋


下殿神経は梨状筋下孔を通って大殿筋に侵入するため、この部で絞扼されることがある。

 
仙骨神経


L5-S2

梨状筋下孔


大腿方形筋

内閉鎖筋

上双子筋

下双子筋

梨状筋


大腿方形筋
内閉鎖筋梨状筋などは、仙骨神経叢から直接筋枝を受けるが、神経は坐骨神経と並走して梨状筋下孔を抜けるため、この部で絞扼を受けやすい。

 
坐骨神経


L4-S3

梨状筋下孔


大内転筋(浅部)

半腱様筋

半膜様筋

大腿二頭筋


坐骨神経は梨状筋下孔を通過する際に絞扼されることがある。

 
総腓骨神経


L4-S2

梨状筋下孔

梨状筋

 


骨盤内で、総腓骨神経脛骨神経は被膜に包まれて坐骨神経を形成しているが、これ等の神経が分かれて走り、総腓骨神経梨状筋を貫通することがある。総腓骨神経がここで絞扼を受けると、それより遠位の深・浅腓骨神経にも影響が出る

 
深腓骨神経


L4-S1

梨状筋下孔

梨状筋

膝窩外側

 


前脛骨筋

長趾伸筋

長母趾伸筋

第三腓骨筋

短趾伸筋

短母趾伸筋


坐骨神経から分岐した総腓骨神経が膝関節の下で3つの枝に分岐(外側腓腹皮神経・浅腓骨神経・深腓骨神経)するが、その中の一つ。

膝窩外側部では神経を保護する筋肉が薄く、障害を受けやすい。外傷やギプスによる圧迫、ガングリオン、駆血帯による圧迫などの障害が多い。

皮枝は足関節屈筋支帯で絞扼される(前足根管症候群)ことがあるが、筋枝は足関節の手前で筋肉に終始するためこれ以上の障害は起こらない。

 
浅腓骨神経


L5-S2

梨状筋下孔

梨状筋

膝窩外側

脛骨中央前面

 


長腓骨筋

短腓骨筋


坐骨神経から分岐した総腓骨神経が膝関節の下で3つの枝に分岐(外側腓腹皮神経・浅腓骨神経・深腓骨神経)するが、その中の一つ。

膝窩外側部では神経を保護する筋肉が薄く、障害を受けやすい。外傷やギプスによる圧迫、ガングリオン、駆血帯で圧迫などの障害が多い。

また、浅腓骨神経は前脛骨筋、長指伸筋、長母指伸筋などの筋によって絞扼を受ける(前脛骨区画症候群)皮枝は足関節屈筋支帯で絞扼される(前足根管症候群)ことがあるが、筋枝はそこまで走行しない。

 
脛骨神経


L4-S3

梨状筋下孔

下腿近位部


膝窩筋

腓腹筋

ヒラメ筋

長趾屈筋

後脛骨筋

長母趾屈筋

足底筋


大腿中央部で坐骨神経総腓骨神経脛骨神経に分岐するが、脛骨神経はその直後に腓腹神経と足底神経(足底部で内側足底神経・外側足底神経になる)に分かれる。

腓腹神経は、下腿近位部で脛骨骨折、虚血性病変、ギプス、駆血帯などで障害される。

 
内側足底神経


L5-S1

下腿近位後面

内果後方

足根管


短趾屈筋

母趾外転筋

短母趾屈筋(内側頭)

第1-2虫様筋


大腿中央部で坐骨神経総腓骨神経脛骨神経に分岐するが、脛骨神経はその直後に腓腹神経と足底神経(足底部で内側足底神経・外側足底神経になる)に分かれる。

腓腹神経は、下腿近位部で脛骨骨折、虚血性病変、ギプス、駆血帯などで障害される。


内側足底神経は更に、下腿遠位部でも障害を受ける。

下腿遠位部の内果後方で、内果の骨隆起による圧迫、摩擦、張力などで神経が障害される。

内果の直下の足根管部でも障害を受ける(足根管症候群)。

 
外側足底神経


S1-S3

梨状筋下孔

下腿近位後面

内果後方

足根管

踵骨内側足底


母趾内転筋

短小趾屈筋

小趾対立筋

短母趾屈筋(外側頭)

足底方形筋

小趾外転筋

第3-4虫様筋

第1-4背側骨間筋

第1-3底側骨間筋


大腿中央部で坐骨神経総腓骨神経脛骨神経に分岐するが、脛骨神経はその直後に腓腹神経と足底神経(足底部で内側足底神経・外側足底神経になる)に分かれる。

腓腹神経は、下腿近位部で脛骨骨折、虚血性病変、ギプス、駆血帯などで障害される。


外側足底神経は更に、下腿遠位部でも障害を受ける。

下腿遠位部の内果後方で、内果の骨隆起による圧迫、摩擦、張力などで神経が障害される。

内果の直下の足根管部でも障害を受ける(足根管症候群)。

または足底に現れる踵骨内側部では、母趾外転筋の圧迫や体重による過負荷が生じやすい。


















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