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産後の腰痛

出産後の体は出産によって大きなダメージを受けています。
子宮内の傷はすぐには癒えませんし、骨盤周りの靭帯や筋肉はまだゆるんだままで、関節もぐらぐらです。

この機会に、これまでの人生で染みついた悪いクセを直しましょう。
正しい筋肉の使い方や骨格の維持の仕方を学ぶことが、これからの子育てや日常生活、仕事復帰にも良い影響を与えてくれるはずです。


T.産後腰痛の原因
お腹の力が弱くなる
悪い腰の形
骨盤のゆるみ
育児による不良姿勢

U.産後腰痛の対処法
腹筋の強化
靴選び
マッサージ
育児の姿勢
骨盤を締める方法
体を温める
寝方を工夫
ストレッチで筋肉をほぐす
自律神経を整えてリラックス











 
お腹の力が弱くなる


産後は大きく伸びてしまったお腹の筋肉を戻すことが腰痛治療の要になります。
お腹が伸びたままでは腹筋に力が入らず、腰を支える力が半減して、腰にかかる負担が増すからです。

お腹を鍛える方法はこの後に紹介しますが、その前に、お腹を鍛えている最中に次の症状が現れた場合には注意してください。

下腹部に違和感や圧迫感がある
股関節に何かが挟まっているような感じがある
お腹に力が入らない

このような症状がみられる場合は、子宮が下垂していることもありますので、一度産婦人科を受診されることをお勧めします。
病院で何ともないと診断されてから、腹筋の強化を再開しましょう。

腹筋の強化 >>


















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悪い腰の形

妊娠をするとお腹が大きくなり、重心が前に移動します。
そのバランスをとるために、腰は自然と反ってしまうのですが、この反りが腰にとっては大きな負担となります。
出産をしてもこの反りは簡単に治りません。というのも、赤ちゃんが生まれると今度は抱っこや授乳などがあるため、やはり重心が体の前にくるからです。

出産の後にたるんだお腹も腰の反りを強くさせます。お腹がたるんで腹筋が弱くなると、骨盤が前に傾いて腰が反ってしまうのです。

腰の反りが原因の腰痛では、腰に負担のかからない靴を履いたり、パートナーにマッサージをしてもらうことで、腰の痛みを軽減できることがあります。
また、育児の際の姿勢を注意したり、お腹の筋力を鍛えなおすことも大切です。

靴の選び方 >>
マッサージ >>
育児の姿勢 >>
腹筋を強化 >>
















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骨盤のゆるみ

骨盤のゆるみが腰痛を引き起こすことがあります。

骨盤のゆるみは、妊娠中に分泌されるホルモンによって引き起こされますが、出産によっても骨盤は外へ大きく開きます。
骨盤の靭帯がゆるむと、骨盤内の関節には大きなストレスが加わるため、腰痛が引き起こされます。


骨盤のゆるみが原因の腰痛は、骨盤を締めることで軽減できます。
骨盤を締める方法は、骨盤ベルトで締める方法のほかに、骨盤周りの筋肉を鍛えて締める方法があります。ご自身に合う方を試してみてください。

骨盤を締める方法 >>


















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育児による不良姿勢

赤ちゃんの抱っこやおんぶ、授乳などの世話は腰に負担のかかる体制が多いものです。不自然な体の使い方をしていると、慢性的に筋肉が凝り固まり、血流も悪くなり痛みが増加してしまいます。
腰痛をかばって更に無理な姿勢を続けていれば、他の場所まで痛くなります。

ただこれらの育児も、少しのコツで体に無理がなく出来ます。

まずは、腰に負担のかからない育児の姿勢を覚えましょう。良い姿勢での育児方法が身に付いたら、育児や家事の合間にストレッチなども取り入れて、疲れた筋肉をケアするようにしましょう。


育児の姿勢 >>
ストレッチ方法 >>

















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腹筋の強化

産産後の大きく伸びたお腹は力が入りづらいため、体を支えることができなくなっています。
これは腰にとって大きな負担ですので、腹筋を強化して腰痛に強い体をつくる必要があります。

また、出産によって骨盤が大きく広げられると骨盤底筋の力も入りづらくなります。骨盤底筋が弱くなると子宮下垂が生じやすくなります。
出産後のトレーニングでは、腹筋と同時に骨盤底筋も鍛えることが大切です。

腹筋強化の方法
1.仰向けになり、下腹部を収縮させる(お腹を1センチ程度へこませる)
2.その状態を維持したまま、床から肩を数センチ浮かせる
3.10秒保持したらゆっくりと上体をもどす


1.仰向けになり、下腹部を収縮させる(1センチ程度へこませる)
2.その状態を維持したまま、両下肢を数センチ持ち上げる
3.10秒保持したらゆっくりと両下肢を下す

骨盤底筋の強化方法
1.仰向けになります(仰向けがつらい場合は座ります)
2.尿意を我慢するように、尿道に力を入れます(肛門に力を入れるように意識してもいいです)
3.グッと力が入るのを確認できたら10秒数えて力を抜きます





















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靴選び

靴はなるべく平面の靴底を選びます。ヒールのように、靴底の傾斜が強いものでは、腰の反りが強くなり腰痛を悪化させてしまいます。
念のためですが、靴底というのは直接足裏が触れる部分をさします。この部分が傾斜の無い、平らなものを選ぶと良いでしょう。















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マッサージ

マッサージは腰の痛みを軽減させるのに有効です。うつぶせ姿勢がつらい場合は、横向きか、椅子にまたがった姿勢でパートナーにマッサージをしてもらいましょう。
お風呂あがりですと血流が良くなっているので効果的です。

マッサージは、親指で皮膚を軽く圧しながら、矢印の線と同じように指を滑らせていきます。
1.仰向けになり、下腹部を収縮させる(1センチ程度へこませる)
2.その状態を維持したまま、両下肢を数センチ持ち上げる
3.10秒保持したらゆっくりと両下肢を下す



















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育児の姿勢

抱っこやおんぶなど、育児をする際の姿勢は腰に大きな影響を及ぼします。体が床と垂直の時は腰にかかる負担は一番少ないのですが、体が前へ傾くほど負担は増加します。

赤ちゃんのおむつ替えを例に挙げてみましょう。

床に座っておむつ替えをするときに、赤ちゃんを胸の高さの台に寝かせておむつ替えをすれば、体は床と垂直となり、体は前へ傾きません。しかし、床に寝かせたまま赤ちゃんのおむつ替えをすれば、体は前へ傾いてしまいます。
体が床と垂直の時が、腰にかかる負担は一番少ないので、赤ちゃんを胸の高さの台に寝かせておむつ替えをした方が、腰にかかる負担は少ないということです。



授乳時や、赤ちゃんを抱き上げる時もそうです。なるべく体は床と垂直になるように心がけてください。







育児に限らず、家事をする時も体は床と垂直にして行うと腰痛予防に繋がります。
下図の上段は腰に負担のかかる姿勢、下段は腰に負担のかかりづらい姿勢です。


下段の方がより体は床と垂直になっています。



















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骨盤を締める方法

骨盤が緩むことで起る腰痛は、骨盤を締めることで治せます。
骨盤を締める方法は、骨盤ベルトを使う方法と、筋肉を鍛える方法の2つを紹介します。



ベルトで骨盤を締める
普段の生活をしていると、私たちは骨盤が動いていることをまったく気にしませんが、歩くときにはわずかに前後の捻じれ運動が生じています。骨盤が緩んでいる人では、この捻じれ運動が関節へのストレスとなり痛みが生じます。
ベルトで骨盤を固定して関節の動きを抑えると、痛みは軽減します。

ベルトを巻く場所は、足の付け根にある出っ張った骨を目印にします。


専用のベルトでもよいですし、浴衣の帯やゴムベルトでも代用できます。




筋肉を鍛えて骨盤を締める
骨盤が緩んだ状態では、体に動きに伴って腰に痛みが現れます。
もとから骨盤周りの筋力が弱い人ほど症状は深刻になりますので、骨盤周りの筋力をつけて症状を少しでも緩和させましょう。

骨盤を締める4つの運動を紹介します。。

骨盤の上側を引き締める
1. 仰向けにて下腹部を手指で触れる(仰向けがつらい場合は座ってやります)
2. 安静呼吸の息をはき切った所で下腹部に力をいれる
3. 下腹部を収縮させながら安静呼吸を続ける
骨盤の真中(特に前面)を引き締める


1. 壁に向かい合って立ち、片方の膝を90°に曲げます
2. 膝頭を、10秒間じわーっと壁に押しつけます
3. 息を吐きながら力を抜きます
※膝を壁に押し付けているとき、お尻が後ろへ移動しないようにします

骨盤の真中(特に後面)を引き締める

1. 壁と背中合わせになります
2. 片方の足を、10秒間じわーっと壁に押しつけます
3. 息を吐きながら力を抜きます
骨盤の底を引き締める

1.仰向けになります(仰向けがつらい場合は座ります)
2.尿意を我慢するように、尿道に力を入れます(肛門に力を入れるように意識してもいいです)
3.グッと力が入るのを確認できたら10秒数えます
















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体を温める

もともと女性は男性に比べて体は冷えやすいといえます。
細い血管、少ない筋肉量、女性ホルモンの変動は体を冷やす原因になりますが、その他にも慣れない育児で自律神経が乱れると体温調節がうまくできなくなる事もあります。

体が冷えて筋肉が硬くなると腰痛は起こりやすくなります。なるべく体を冷やさないように心がけましょう。

夏場でも浴槽に全身をつかり、体を温めます。日頃から半身浴をすることもお勧めです。
食べ物は温野菜のほか、温かい飲み物をとるようにしましょう。冷たいジュースやお茶、生野菜は体を冷やします。
冬場は、衣服で首すじ・お腹・足首を温めます。

布団に入っても手足が温まらないことがあります。これは自律神経の乱れによる冷えが関係しているため、自分が一番リラックスできる方法を探しましょう。
就寝前の入浴・深い深呼吸・ストレッチ・ヒーリング音楽・アロマなど。体の力が抜けて体が温まってくるものでしたら何でも良いです。

深呼吸でリラックス >>
ストレッチでリラックス >>














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寝方を工夫

産後は腰の形が変化することで、仰向けで寝るのがつらくなることが多いようです。
横向きで寝たいけれど寝ている間に仰向けになってしまうという方のために、横向きのまま寝られる方法を紹介します。

枕の片方を高くする 枕の片方に本などを置いて高くすれば、自然と仰向けで寝るのが難しくなり、横向きで寝やすくなります。
帽子を被って寝る ニット帽などの後頭部に、物を詰めれば仰向けで寝るのは困難になりますので、自然と横向きで寝るようになります。
背中に物を詰める 寝巻きなどの背中部分に物を詰めたり縫い合わせたり、リュックサックに物を詰めて背負って寝ると、仰向けで寝ることが難しくなりますので、横向きで寝ることができるようになります。
抱き枕を利用する 抱き枕(足を絡められる物が良い)は自然と横向きで寝やすくなります。




仰向けで寝たいという方は、次のどちらかの方法で寝られると腰への負担が軽減できます。
腰の下にタオルを入れる 産後の腰は大きく反っています。仰向けで寝たときにベッドと腰の間にできる隙間にタオルを挿入して、体全体をベッドに密着させると腰にかかる負担が軽減できます。
膝の下に毛布を入れる 膝を立てた仰向け姿勢で寝ると腰の負担は少なくなります。ただ、寝ている間中膝を立ててはいられないので、膝の下に毛布を入れます。こうすると膝が曲がったままになりますし、寝返りも打てなくなります。














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ストレッチで筋肉をほぐす

腰から背中を伸ばして筋肉の緊張をほぐすと、腰の痛みが緩和します。

猫のび体操 猫の背伸びをまねた運動で、マタニティーヨガでは定番のストレッチです。

 
1.肩幅ぐらいに両膝をついて四つん這いになります
2.息を吐きながら背中を丸めていきます
3.息継ぎをしたら、こんどは吐きながら背中反らします
ねじり体操 腰を雑巾のようにねじって、腰の横を気持ちよく伸ばします

 
1. 仰向けに横になり、両膝を立てます
2. そのまま右側に膝を倒して、ゆっくり5〜10秒数えます
3. 反対側へも同様に膝を倒します

















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自律神経を整えてリラックス

妊娠、出産と怒涛のように時間が過ぎ、慣れない育児などで体は休まる間もありません。いざ眠ろうとしても興奮して眠りが浅くなることがしばしばです。そこで短時間でも質の高い眠りをとれるように、自律神経を整えて体をリラックさせる呼吸法を覚えましょう。


1.両膝を立てて仰向けになる
2.鼻から息を吸うのと同時に、顎を天井に向けて首、胸、お腹を伸ばす
3.口から息を吐き、顎をゆっくりもどす
4.これを10〜20回繰り返して、少しずつ全身の力を抜いていきます

















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