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腰を反らすと痛い腰痛

腰痛をお持ちの方の中には、腰を反らすと違和感や痛みがある、何となく普段から腰が反っている感じで痛い、という症状のある方がいます。
最初のうちは痛みの強さも大きくないため、それほど異常とは感じないのかもしれませんが、それを放置しておくと、少しずつ腰に負担が溜まり、痛みの頻度や強さが増してきます。ぎっくり腰ような強い痛みに襲われると、痛みのために腰を動かすことも出来なくなります。

なぜ、このような痛みが起こるのか。原因と対処法を解説します。

目次
T.理由
腰を反らすと痛くなる理由

U.対処法
(反らすと、たまに痛む)とき
(違和感や痛みの頻度が多い)とき
(激しい痛み、痛くて反れない)とき









 
腰を反らすと痛くなる理由

腰を反らすと痛くなる方というのは、普段から腰を強く反った姿勢をとっていることが多いようです。腰を強く反る姿勢そのものが腰には悪いのですが、更にそこから腰を反らす動作をするのですから、痛くなるのは当然といえます。

腰が反った姿勢になっている人は、猫背の方、妊婦さん、出産後の女性、肥満体型の方、ヒールをよく履く女性などに多く見られます。
こういった方達は、お腹の筋力が弱くなっていることが多く、それが原因で腰が反った状態となります。

骨盤が硬くなっている方にも、腰を反らすと痛みが出る症状が現れます。
体を後ろに反らす動作というのは、腰の骨が反って、骨盤が後ろに倒れるのが理想ですが、このとき骨盤が後に倒れないと、腰だけが反った状態となり、腰への負担が強くなります。
骨盤が後ろに倒れなくなる理由として、股関節の前の筋肉が硬くなっていることがあげられます。股関節の前の筋肉が硬いと、骨盤を前方に引っ張ってしまうため、腰が後ろに倒れなくなります。


痛みの度合いで、状態を分類
日常生活を普通に過ごしていれば、たいがいは腰を反らすことより曲げることの方が多いため、腰を反らすと痛みが出るタイプの腰痛の方は、痛みを感じる回数自体も少ないはずです。
症状の初期段階では
@反らすと、たまに痛む状態です。

ただ、このような痛みを何度も何度も繰り返していると、負担のかかっている腰部分の炎症が少しずつ増してきます。
A違和感や痛みの頻度が多くなってきます。

さらに放置して、この状態を放置していると、負担に耐え切れなくなった腰には強い痛みが現れます
B激しい痛み、痛くて反れない状態となります。


では@〜Bのそれぞれの対処法は、どうすればよいのでしょうか。
@からBの順番で説明します。
@(反らすと、たまに痛む)ときの対処法
A(違和感や痛みの頻度が多い)ときの対処法
B(激しい痛み、痛くて反れない)ときの対処法










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(反らすと、たまに痛む)ときの対処法

腰痛体操で予防を
腰を反らすと痛みがでる理由は、お腹と腰の筋力のアンバランス(腹筋が弱い)、股関節が硬くなって骨盤が後ろに傾かなくなること、などが原因になっていると説明しました。
ですから、腹筋を強化すること、硬くなっている股関節を軟らかくすることが、そのまま治療につながります。

やり方は次の通りです。
筋力訓練 
お腹

立て膝の仰向けで、上半身を持ち上げる
20〜30回く
お腹の横

横向き姿勢から、肘と足先だけで体を持ち上げる
体が一直線になったら、そのまま10秒保持
(左右とも)10秒×10回
腰・お腹

肘とつま先だけで、体を支える
この姿勢を10秒保持
10秒×10回


ストレッチ 
股関節の前

伸ばす側の膝を地面につけて、膝立ち姿勢をとる
体を少し前方へ移動させて股関節の付け根を伸ばす
股関節が伸びたら、そのまま10秒保持
(左右とも)10秒×10回

太ももの前

伸ばす側の膝を曲げて仰向けになる
太ももの前面が伸びているのを感じたら、そのまま10秒保持
(左右とも)10秒×10回

膝を抱え込んで、腰を丸める
この姿勢を10秒保持
10秒×10回













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(違和感や痛みの頻度が多い)ときの対処法


日常生活の動作を気をつけましょう
違和感や痛みの頻度が多くなっているのは、腰の炎症が強くなってきている証拠です。
なるべく日常生活の中で、腰を反らす動作を行わないように注意しましょう。そうすれば、次第に痛みの強さや、痛みの回数は少なくなってきます。



腰に負担のかからない生活のポイントを紹介します
寝るとき 横向き
× うつ伏せ
仰向き
(これらの寝方では、腰が反ってしまいます)


イスの立ち座り 体を床と垂直にしたまま立ち座りをする。
足をなるべく、イスの座面の下辺りに置いて、立ち座りをする
× 体を一度前に倒して立ち上がる(体を一度前に倒すと、その後に腰が反ってしまいます)
足が、イスの座面の下から遠いところ(前方)に置いて、立ち座りをする


洗濯干し 小物干しハンガーなど、腰の高さで洗濯物を付けてから高い所へ移動させる
高い所へ干すときは、段に上ってから行う
× 高い所へ洗濯物を干すときに、腰を反らして行う



階段を昇る 体を前傾して、足の筋肉で上る
× 胸を強く張りながら上る

日常生活の注意点は、こちらでも解説しています  >>


痛みが落ちついてきたら、(反らすと、たまに痛む)ときの対処法で紹介した、腰痛体操を行っていきましょう。











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(激しい痛み、痛くて反れない)ときの対処法

痛みが強い時は、コルセットを巻きましょう
突然の腰痛にみまわれ、あまりの痛さで腰を反れないというときは、すみやかに腰痛コルセットで腰を固定します。
コルセットが無い場合は、さらしやタオルなどを代用して腰に巻いても構いません。とにかく腰の曲げ伸ばしが出来ないようにします。


なぜコルセットをするのか
腰を反らして痛みが出るというのは、腰を反らすと炎症が増すことを、体が教えてくれているわけです。ですから、そのようなときに無理に腰を動かせば、痛みがひくどころか、かえって痛みが増します。治りも遅くなります。
腰痛コルセットを巻いて腰と骨盤を固定し、腰を反らさないようにすれば、痛みは出ませんし炎症も早くおさまります。
1〜2週間ほどコルセットをして、腰を動かさない状態にしていれば、自然に痛みは引いてきます。



腰を動かして治そうとは思わない方がいいでしょう
いけないのは、このときに
何で痛いんだろう
どうやって反らせば痛くないんだろう
捻じったら治るかもしれない
などといって、痛いのを無理して腰を動かすことです。このような事をすると、逆に痛みが増して、治りは遅くなるだけです。



コルセットを巻いても痛い
コルセットを巻いていても、腰に痛みの出るときはあります。いくらコルセットをしていても、高い所へ手を伸ばす、イスに座る、うつ伏せで寝る、胸を張るなどの動作で、どうしてもコルセットの中でわずかには腰が反ってしまうからです。
もしコルセットをしても痛みの出る動作があれば、そのような動作は極力しないようにしてください。
どうしてもしなければならない場合は、コルセットの腰部分(上端に近い所)に丸めたタオルを挿入してみて下さい。そうすれば、コルセットの中で腰が少し曲がった状態になるので、腰が反りづらくなります。


腰の上端部分に、タオルを挿入
3つ折りくらいで大丈夫です



とにかく腰を反らさないこと
コルセットを巻いても、完全に腰の動きを制限できるわけではありませんので、腰が反れば痛みは出ます。
理解していただきたいのは、痛みがでるということは、腰に負担がかかっているという事です。
早く炎症をひかせるには、とにかく痛みを出さないようにすることです。
ですから可能であれば、1〜2日間は必要な時以外は横に寝て、腰を動かさないように出来れば、一番良いでしょう。
それが出来ない場合は、コルセットを巻いていても、徹底して腰を反らさないように注意する事です。

高い所の物を取る時に、絶対に腰を反らさない
洗濯物を干す時に、絶対に腰を反らさない
イスから立つ時に、絶対に腰を反らさない

しつこいようですが、とにかく腰を反らさずに、痛みの出る動作をしなければ、それだけ早く炎症はおさまります。

もし、腰をわずかにも動かしていないのに、常にズキズキ痛みが出ている。1〜2日間寝たままなのに痛みが増してくるときは、他の病気からくる腰痛の可能性もあります。すぐに病院で検査をされたほうがよいでしょう。



寝る時にコルセットは着けた方がいいのか
寝返りをうつと痛い場合は、コルセットを巻いたまま寝た方が良いでしょう。。
ただ、起きている時と同じようにきつくベルトを締めて寝ると、寝つきも悪くなるため、少しゆるめた状態で寝たほうがよいかもしれません。

ちなみに、うつ伏せや仰向けで寝ると腰はわずかに反ります。
腰を反らして痛みの出る方は、いけない姿勢です。
横向きでは、腰はわずかに曲がりますので、そちらの方が楽だと思います。



コルセットをつけるときのポイント
コルセットには、色々な種類がありますが、いま持っているコルセットに、ベルトが2つある場合は、2本目のベルトは真っ直ぐではなく、下に向かってつけると、腰が反りづらくなるので、よいでしょう。

×真っ直ぐではなく ○下に向かってつける




体を移動させるときのコツ
体を移動させるときには、机や壁に両手を置いて行ってください。両手で上半身の体重を支支えると、腰の負担が軽減されます。
普段、下半身を支えているのは両足です。上半身を支えているのは腰です。腰の痛い時に、腰で上半身を支えるというのは無茶な話です。両手で代わりに上半身を支えてあげると、腰は助かります。

これはイスや床などの立ち座り、床の物をひろうとき、階段の昇り降りなど、どのような動作をするときにも使えます。腰に負担のかかりそうな動作をするときは、必ず近くのものにつかまって行うと安全です。

もし、近くに何もない時は、骨盤に両手を置いて、骨盤に上半身の体重を逃がすか、太ももの上に両手を置いて、太ももに上半身の体重を逃がすとよいでしょう。
今回のような腰が反れない場合は、太ももに手を置いた方が、腰は曲った姿勢になるので、よいかもしれません。

   




お風呂は入っていいの
痛めてすぐの時期、強い痛みのある時は、腰に炎症が起こっている状態ですので、温めると炎症が増してしまいます。
痛めてから3日間くらいはお風呂には入らない方がいいでしょう。
シャワーくらいならあびても大丈夫ですかと尋ねられることがありますが、シャワーでしたら体も温まらないので大丈夫ですが、ただコルセットを外してお風呂場に入ることになるので、痛みが出ないように、ご自身で注意する必要があります。


コルセットをして腰を反らさなければ、数日で必ず痛みは落ちつきます。
痛みが落ちついてきたら、(反らすと、たまに痛む)ときの対処法で紹介した腰痛体操を行って、再発をしないようにしていきましょう。











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